(この内容は個人が特定されないようにした上で掲載することへの承諾をいただいています)
相談された方から呪いに関するご相談、ご依頼を受けた後に「ほかに相談できる人がいなかったのでとても助かっています」と言われたことがある。
ほかの方からも「誰にも話せなかったので話せてよかった」「相談する相手がいて幸い」といったお声をいただくことがある。
その中でAさん(仮名)はまさに、日常の他愛ないことを相談できる場がなくて悩んでいた方だった。
ご相談の内容そのものは割愛させていただくが、やり取りの中で私は何の気なしに「ご友人には相談できないのですか」と聞いた。
Aさんは「絶対に相談したくない」と強い口調で返されてきた。
そのAさんのご友人数人はスマホを片時も離さない人で、何かあればすぐSNSに書き込むのだという。
自身のプライベートだけでなく、Aさんと会ったら「今友人と会っている」と書き込み、立ち寄った店では注文した食べ物の写真を撮って掲載し、時に「今友達とこういう話をしている」と書くこともあるという。
出会ったころはそんな人と知らなかったAさんは生活の悩みや恋の悩みを話していたらしいのだが、共通の友人から「これAさんのこと?」と聞かれSNSを見せられて自分の相談事が面白おかしくSNSへ掲載されていることに非常に驚いたのだという。
その友人に削除するよう求めたがそれすら「友達に切れられて削除しろって言われた」と書き込まれる始末で、危機感を覚えたAさんはそれから距離を置くようになり、交流も最低限しかしていないのだとおっしゃった。
ここまでのケースはかなり極端ではあるが、日々のご相談の中で「友人が自分の話を勝手にSNSへ書き込んでいて迷惑した」といったことは少なからずある。

インターネットのない時代から、噂好き、人の話を広めてしまう人間はいたけれど、今はインターネットやSNSによってさらにそれが大きく拡散されてしまう。
書いている本人は何気ない気持ちなのかもしれないが、人の噂話と違ってインターネットに乗った情報は一度広がるとそう簡単に消すことはできないと聞く。
私自身も、昔電話相談を受けていた時には「この人に相談したいならここに電話すると受け付けてもらえますよ」とインターネットに書き込まれて夜中でも電話がかかってきて迷惑したし(書き込んだ方は善意だとしても)、対面相談の時に勝手に撮られた写真を拡散されたり他の業者がホームページに使用していたりして困ったこともある。
便利なものだからこそ、載せてもいい情報なのか、拡散してもいいものなのかは考えるべきではないだろうか。
私のような古い人間はそう思うのである。
それにしても、うっかり友人に愚痴もこぼせないとは息苦しい世の中になったものだ。

また、お断りしておくが私は個々のご相談を無断でインターネットへ書き込むことも掲載することもしていない。
ご依頼者様からの声も必ず了承を得た上で特定されないようにして掲載している。
それはどうかご安心いただきたい。